結論から言うと、会計事務所から一般企業経理への転職はおすすめです。

豊富な決算業務、税務申告業務の実務経験がある会計事務所経験者は、一般企業経理からみるとまさしく「のどから手が出るほど欲しい人材」といえるでしょう。

以下は私の個人的な転職体験談になりますが、会計事務所を辞めたい…とお悩みの方は参考にしてみてくださいね。

一般企業が出す経理職の募集には2つの種類がある

一般企業が経理職の募集をするときには、大きく分けて2つのケースがあると思います。

1つは一般経理スタッフを募集する場合です。簡単にいうと「幹部候補ではないスタッフ」を募集するケースですね。

この場合、求められる実務経験は実際に経理事務として働いたことのある経験です。

会計事務所では決算や税務申告が中心で、経理事務(銀行口座を動かしたり、伝票を切ったりといった作業)は会計事務所では基本的にやらないでしょうから、ややニーズがマッチしないことになります。

また、この形での募集は女性の方が有利というのが現実です。

会計事務所経験者は「決算業務の経験」」をアピールしよう

もう1つは将来的な幹部候補として経理職の募集をするケースです。一応、私の転職もこちらに該当します。

>>会計事務所経験者におすすめの転職サイト

この場合、決算業務はリーダーシップをもってやる必要がありますし、チームリーダーとしての経理スタッフの取りまとめや銀行との折衝なども業務範囲に入ります。

会計事務所経験者が狙うべきはこの職種ですね。

アピールするべきは何と言っても決算業務の経験です。給与関連の実務や年末調整〜法人税や消費税の申告まで完結できることを最大限にアピールしましょう。

経営者の相談役として仕事をしてきた経験も活かせます。さらに金融機関融資の相談事例や、税務調査への対応経験などもアピールできるとより良いですね。

[ad#co-2]

会計事務所の経験しかない人の欠点

逆に、会計事務所の実務経験しかない人の泣き所(欠点)としては基本的に「規模の小さい仕事」の経験しかないことですね。

会計事務所のお客さんは基本的に中小零細企業でしょうからこの点は仕方がない点です。

私も個人の確定申告などの経験は、正直いって転職後にはあんまり役に立った記憶はありません(たまに会社の役員から個人的に相談されたり…ということはありますが笑)

逆に、「もっと大きな仕事をしてみたいと思ったこと」を会計事務所を退職した理由としてもってくると「ポジティブな形の転職であること」をアピールできるでしょう。

[ad#co-3]

もともとは税理士の独立しか考えていなかったけれど

もともと私は税理士として独立したくて会計事務所に入ったので、一般企業の経理に転職したことは残念な気持ちもはじめのうちは正直ありました。

ですが、もっと視野を広く持つようになってからは後悔はなくなりましたね。

私が所属しているのは売上高が数十億円程度の中堅企業ですが、経理のチームスタッフをまとめる仕事や、公認会計士の監査への対応やIFRSへの対応など、会計事務所にとどまっていたら絶対に経験できなかった仕事を今はやっているという自負があります。

会計事務所の経験がある人は転職活動のやり方次第では選択肢は広く広がっていることをぜひ知ってほしいと思います。

[ad#co-4]

会計事務所経験者が転職を成功に導く方法

一般企業の経理に、管理職レベルでの転職を目指すなら、会計分野専門の転職エージェントに登録は必ずしておいたほうが良いです。

私も自力で転職活動をしていたとしたら今の仕事には絶対につけていないと思います。転職エージェントには履歴書の書き方から、面接でのアピールポイントまで細かくアドバイスをしてもらいました。

私の場合、20社以上の書類選考に落ちていたのに、アドバイスに従って修正してみたら一気に役員面接まですすめるところが増えましたから。

逆に、会計専門の転職エージェントでない場合、まとはずれなアドバイスをされたこともありますね。

会計事務所の仕事って世間には意外と知られていませんから、アピールすべきポイントがずれてしまうといつまでたっても転職先が決まらない…ということにもなってしまいかねません。

転職エージェントを利用するなら会計分野を専門としている転職エージェントに依頼するのは鉄則です。

※こちらで紹介しています。

[ad#co-5]

会計事務所の仕事にやりがいを感じない…

現在、会計事務所で仕事をしているけれど、なんとなくやりがいがない…と感じている方ももしかしたら多いかもしれません。

最近入社してきたやる気満々の新入社員を横目に「自分もああいうときあったなあ…」なんてちょっとたそがれてしまっている方もおられるのでは?

ここではそんな方のために「会計事務所の仕事でやりがいがないと感じる時にチェックすべき3つの原因」について解説させていただきます。

会計事務所の仕事にやりがいを感じない3つの理由

会計事務所の仕事にやりがいがない…と感じるのには以下の3つの原因が考えられます。

 

  1. あなたの将来的なビジョンと、目の前の仕事がリンクしていない
  2. 仕事の直接的な相手からフィードバックを得ていない
  3. 仲間がいない

 

あなたにも心当たりがないでしょうか??以下、順番に具体的に解説していきますね。

①将来のビジョンと、目の前の仕事がリンクしていない

あなたが5年後になっていたい自分の姿と、現在の目の前の仕事はつながっているでしょうか。

会計事務所でやりがいを感じられない…という方の場合、税理士試験や経理でのキャリアアップの具体的な方針が定まっていないケースが多いです。

将来的に税理士を目指す人であれば、今年は何科目合格する、来年はまず1科目といったように、具体的に「いつまでに5科目合格を達成するのか」ということを明確にゴールとして定めましょう。

税理士試験を目指していない人は?

ビジョンとして定めるべきことは税理士試験だけではありません。

会計事務所で会計や税務申告についての実務経験を積めば、経理の管理職として一般企業への転職が狙えることもあります(私もこのタイプでキャリアアップに成功しました)

経理管理職は地味なイメージがあるかもしれませんが、実は非常に好条件の求人案件がたくさんある職種
でもあるんですよ。

現在、あなたが会計事務所で毎日行なっている仕事が、将来的な有利な転職につながっているということを意識することが大切です。

この意識があれば、会計事務所の仕事は経験値アップにつながる仕事がゴロゴロしていることに気づくと思います。

たとえば、以下のような感じですね。

 

  • 今月はあの得意先の法人税申告を自分でやってみよう → 将来的に、同程度の規模の経理管理職になれます。
  • あの得意先の融資の相談に積極的にかかわってみよう → 一般企業の経理管理職の仕事が実体験できます。

 

どういうキャリアアップの道があるのか?ということを知りたい方は以下のようなサイトにも無料登録しておきましょう(こういう具体的な行動がモチベーションにつながります)

>>私が実際に使った転職サイトはこちら

②仕事相手からフィードバックを得ていない

毎日の仕事で、自分の仕事を渡す相手からフィードバックを得ているでしょうか。

自分の仕事を渡す相手というのは、あなたの仕事の種類によって色々だと思います。

まだ自分の担当得意先を持っていない人であれば先輩や上司の仕事のお手伝いをしているという人もいるでしょう。

そのような人でも、仕事を相手に渡すときには、

 

  • 「何か不備がありませんでしたでしょうか?」
  • 「自分が担当を持ったときに失敗しないようにしておきたいので、ここをもうちょっとこうした方が良いということがあればアドバイスをいただきたいのですが…」

 

といったように、具体的なフィードバックを相手からもらうようにしておくと良いですね。

アドバイスを求められて嫌な気持ちのする人はいません。

完璧にこなせていれば「大丈夫だったよ、ありがとう

ダメ出しをもらうにしても、「悪くは無いけど、自分だったらこうするかも」など、有意義なアドバイスをもらえるはずです。

あなたがすでに得意先の担当者として仕事をしているのであれば、得意先の社長や経理担当者に「何かお困りのことはありませんか?」「至らない点はございませんでしょうか?」と聞いてみることをおすすめします。

あなたのモチベーションがあがるのは、なんといっても「良い仕事ができた」と自分で思えたときです。

そう感じるためには、あなたがした仕事を渡す相手が、あなたの仕事についてどういう感想を持っているのか?を知ることが大切です。

③仲間がいない

あなたには一緒に仕事をする、あるいは同じ目的に向かって頑張っている仲間がいるでしょうか?

会計事務所であれば、多くの人が税理士資格合格を目指して仕事と勉強の両立を頑張っていると思います。

私が税理士試験の勉強をしていたときには、同じ会計事務所の同僚と以下のようなことについてよく情報交換していました。

 

  • 試験勉強どんなことしてる?
  • どうやって実務と試験勉強をリンクさせてる?
  • どこのスクール通ってる?

 

同じ目標を持っている仲間ですから、しんどい試験勉強や仕事の苦労を共有できますよね(これは間違い無いです)

試験勉強については意見交換をすることで知識をより立体的にすることができます。

私のまわりで仕事をしながら税理士試験に合格していった人たちは例外なくこれをやっていましたね。

もしあなたが税理士試験を目指していなくても、実務に関してそれぞれが担当している得意先の情報交換をできることは、自分の目の前の仕事にも直接的にいきてくるものです。

人間、一人でがんばれる行動量というのはある程度決まっていますから、あなたの所属している会計事務所にあなたと同じ目標を持っている人がいないか探してみると良いですね。

※税理士試験対策のおすすめ!↓

クレアール税理士講座
今、注目の「非常識合格法」で科学的・合理的・経済的に税理士試験の合格が目指せます。




会計事務所から経理への転職では、保有資格はどう評価される?

会計事務所経験者の場合、多くが税理士試験を目指して勉強の経験がある人だと思いますので、転職活動での保有している資格(簿記や税理士科目合格)がどのように扱われるのか?は気になるところですよね。

もちろん、最も重要視されるのは実務経験であることは間違いないので、面接や履歴書では資格よりも会計事務所で経験した仕事内容を積極的にアピールすることが大切です。

しかし、ある程度の規模の企業の場合、書類選考で資格の有無が重要になることもあるので、資格についてアピールできる点はしっかりしておくべきです(もちろん、実務にどのように活かせるか、という視点が重要です)

今回は会計事務所から一般企業経理への転職をするにあたって、保有資格がどのように影響するのかについて見ていきましょう。

やはり重要視されるのは日商簿記

ある程度の規模の経理実務の場合、転職活動で重要視される資格はやはり日商簿記です。

大規模な企業の経理職の募集の場合、簿記資格がないとそもそも書類選考に通らないケースも少なくないので、できれば1級を取得しておきたいところですね。

税理士資格の勉強経験者からすると日商簿記1級よりも税理士試験の簿記論や財務諸表論を重要視されるんじゃないの?と思われる方も多いかもしれません。

しかし、税理士科目合格は一般的な認知度は意外に高くありません。

極端な場合、税理士試験科目合格者と言ってもしょせんは「科目だけの合格でしょ?」という評価をされてしまう可能性もあります。

税理士科目合格者なら簿記1級は取得してしまおう

もしあなたが簿記論や財務諸表論の科目合格を持っているのであれば、日商簿記1級に合格するのはそれほど難しいことではないでしょう。

できれば転職活動を始める前に簿記1級を持っておくことが望ましいです。

もちろん、税理士の税法科目の合格があれば他の日商簿記資格保有者との差別化ができてとても良いと思います。

できれば法人税法や消費税法などの一般企業経理としての仕事に直結する科目があるとさらに良いですね(それができたら税理士として独立目指してるよ…といわれるかもしれませんが^^:)

>>経理・簿記の勉強方法

社会保険労務士やFP技能士も好印象

日商簿記や税理士科目合格の他に、社会保険労務士やFP技能士も評価は高いです。

経理担当者は社会保険に関する実務を担当することも多いので、これらの知識が問われる社会保険労務士FP技能士はアピールポイントになるでしょう。

暗記ものの試験が得意という方は、これらの資格を転職前に合格しておくというのもおすすめです。

社会保険労務士は税理士試験に比べるとかなり難易度が下がりますし、FP技能士も2級ぐらいまでであれば実務知識だけでも

かなり点数が取れると思います。