会計事務所のリストラの実態に関しては、事務所の規模によってまちまちであることを理解しておく必要があります。
会計事務所というのは、大きく分けて3つの規模のところがあります。
- 大手会計事務所:ビッグ4といわれる会計事務所
- 中堅会計事務所:従業員数100人を超える会計事務所
- 小規模会計事務所:従業員数数名〜20名程度の規模の会計事務所
このうち、世の中の90%以上の会計事務所が3つめの小規模会計事務所です。
以下、順番に会計事務所のリストラ事情についてみていきましょう。
この記事の目次
1.大手会計事務所のリストラ事情
ここでいう大手会計事務所というのは、いわゆるビッグ4(KPMG税理士法人、PwC税理士法人、EY税理士法人、デロイトトーマツ税理士法人)のことです。
これらの会計事務所は外資系企業になりますので、リストラについても「成果の出せない従業員はどんどん入れ替える」という方針で運営されています。
理由は簡単で、このビッグ4に入社したいと考えている優秀な人はいくらでもいる状態だからですね。
非常に高い報酬を得られる会計事務所である代わりに、リストラ対象にならないために日々従業員間で競争が行われているということは知っておく必要があります(また、英語が必須です)
2.中堅会計事務所のリストラ事情
中堅会計事務所としては、辻本郷税理士法人や、税理士法人山田&パートナーズなどが該当します。
他にも税理士法人レガシィや、グラントソントン太陽ASG税理士法人、クリフィックス税理士法人などもありますね。
この規模の会計事務所のリストラ事情としては、相続案件に対応できるかどうか?が今後重要な要因になりそうです。
税理士にとって相続税関連の案件というのは多くの収益が見込める「おいしい仕事」で、積極的にかかわっている税理士と、そうでない税理士とがくっきりと別れる仕事でもあります。
難易度が高い仕事ですので、この業務に対応できる社員とそうで無い社員とではリストラ候補となる可能性が大きく異なります。
(もちろん、対応できる社員の希少価値が高いということです)
現在、税理士試験合格を目指している方、科目合格まで進んでいる方は、将来的な実務に向けて試験科目として相続税法に挑戦しておくことも検討してみると良いでしょう。
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3.小規模会計事務所のリストラ事情
会計事務所転職を目指す人のほとんどがこの規模の会計事務所を目指していると思います。
まずは小規模会計事務所の短所(デメリット)から見ていきましょう。
この規模の会計事務所のリストラ事情としては、所長税理士との関係がうまくいくか?が非常に大きな要因になります。
従業員数人〜20人程度の事務所ですから、所長税理士とうまが合わない…という状況だと長期間にわたって勤め続けるということ自体むずかしいというのが実情です。
また、小規模な会計事務所ではお客さんの規模も小さい規模であることが多く、顧問料の単価も低いためどうしても「数をこなす」という傾向になりがちです。
具体的には個人事業主や年少数千万円〜数億円程度の企業の確定申告や法人税申告を数多くこなせるか人材かどうか?がリストラ候補となってしまうか否かを決める場合が多いです。
小規模会計事務所の良いところは?
小規模会計事務所の短所と言える部分を先に紹介しましたが、個人的には将来的に独立を目指すのであれば小規模の会計事務所への転職を狙うのがおすすめです。
税理士業界に関しては、大きい会計事務所だから良い、小さい会計事務所だからよく無いということではまったくありません。
むしろ、将来的な税理士としての独立を視野に入れている人であれば、小規模な会計事務所で実務経験を積む方がメリットが大きい場合が多いのです。
理由としては以下の2点あります。
- 税理士試験の勉強がしやすい環境であること
- 独立した時にお客さんになってくれる得意先と出会いやすいこと
以下、順番に見ていきましょう。
3-1.税理士試験の勉強がしやすい環境であること
まず、小規模な会計事務所では「従業員は税理士試験に合格したら独立してやめていくもの」という意識が少なからずあります。
そのため、「給料はそれなりで、税理士試験の勉強はやりやすい環境を整えている」ということを売りにして人材獲得を目指している会計事務所が多いのです。
また、転職での競争相手も少ないため、採用されやすいという面もありますね。
将来は税理士として独立することを決めている、会計事務所に入るのは独立に向けて実務経験を積むこと、
という方は、割り切って小規模の会計事務所を目指すのをおすすめします。
3-2.独立した時にお客さんになってくれる得意先と出会いやすい
小規模会計事務所がおすすめの理由の2つ目としては、あなたが税理士試験に合格していざ独立となったときに、あなたのことを信頼してお客さんになってくれる人に出会いやすいことが挙げられます。
かんたんにいうと、従業員として仕事をしていく上で、得意先との関係を構築していけば自分が独立したときにお客さんを紹介してもらいやすいということですね(場合によっては担当していたお客さんを引き連れて独立できるかもしれません)
税理士の仕事は、独立したとたんに、税務申告の業務に加えて「売上をあげること(あなたの関与先を増やすこと)」が急務になります。
大量の案件をこなしていく小規模な会計事務所では、仕事を通して多くの経営者と知り合うことができますから、独立した時に売上を安定させやすいという長所があるのです。
3-3.会計事務所にスムーズに転職するには?
会計事務所への転職をスムーズに実現するためには、会計職専門の転職エージェントに無料登録しておくことをおすすめします。
転職エージェント(転職サイト)に無料登録しておくと、ハローワークの求人情報などではみることのできない非公開求人(収入や福利厚生もいいです)の情報を定期的に配信してもらうことができるようになるためです。
また、会計事務所の面接対策の仕方や、応募書類の作成方法などについても細かく教えてもらうことができますので、自分1人で行うよりも効率的に転職活動を進めることができますよ。
※まだ公認会計士や税理士の資格に合格していないという人であっても無料で登録できます。
「なんでそんなサービスが無料で使えるの?結局何かセールスをされるのでは?」と不安な方もおられるかもしれませんが、転職エージェントが無料な理由は、彼らに料金を払うのが採用側の企業であるからです(私たち雇われる側の人間はお金を払う必要がありません)
無料登録しても後から料金を請求されるようなことはまずありませんので、安心して使うことができますよ。