会計事務所(税理士事務所)の仕事内容


会計事務所の求人がなんとなく気になっている…という方の中には、会計事務所の仕事内容ってそもそもどんなことなの?と疑問に感じている方も多いかもしれませんね。

入社前の段階でだいたいの仕事内容について理解しておかないと、入社してから「こんなはずじゃなかった…」なんてことにもなってしまいかねません。

ここでは会計事務所(税理士事務所)の仕事内容について、簡単に理解しておきましょう。

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会計事務所ってどんなところ?未経験者でも転職できるの?

会計事務所というのは、簡単にいうと税理士の個人事務所のことです。

税理士というのはお客さんである企業の経理や税務の申告を代行する専門家ですね。

実際の仕事内容としては毎月お客さん(従業員数十名程度までの中小企業が多いです)の事業所に訪問して、経理書類などを見せてもらいながら決算書を作っていくというのがメインになります。

日本で活動しているすべての企業は何らかの形で1年に1回は税務申告を行わなくてはなりませんから、税理士という仕事はとても幅広いニーズを持った仕事ということができます。

税理士資格がなくても会計事務所で働けるの?

会計事務所で従業員として働いている人の多くが、まだ税理士資格を持っていない「見習い」の人たちです。

実際には、独立している税理士の事務所に雇用されて実務の仕事内容を経験しながら、税理士試験への合格を目指す…という働き方をしている人がとても多いです。

会計事務所で働いている人の年齢層は幅広く、学校を出て間もない20代前半の人から40代〜50代の方までいます。

経理実務の未経験者でも会計事務所に転職できる?

経理や財務についての実務経験がまったくないという方であっても、会計事務所に採用される可能性は十分にあります(というか、ほとんどの人が未経験から会計事務所で働き始めます

ただし、未経験者の場合は採用の段階で年齢制限があるというのが実際のところです(経験者の人は基本的に年齢制限はありません)

まったくの未経験から応募するという場合には、30代前半ぐらいまでが採用のギリギリの条件となることが多いですね。

もちろん、30代後半以降の未経験の人であっても熱意が認められて採用されるケースがありますからあきらめることはありません。

大切なのは「自分が会計事務所に入って仕事をすることが、将来のビジョンにどう繋がっているのか」ということを面接等を通して採用担当者に伝えることができるかどうかです。

面接や職務経歴書の作成にあたっては無料で使える転職エージェントを活用することで採用の可能性を高めることができます。

転職エージェントを活用する具体的なメリットについてはこちらの記事で解説していますので参考にしてみてください↓

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会計事務所は何月が忙しい?

会計時事務所にとって、5月は比較的忙しい時期になります。

5月の会計事務所のメイン業務は三月決算法人の決算申告ですね。

4月の最終の月次監査〜5月末にかけて法人税、消費税申告と、事務所内はやや忙しい状態になっていることが想定されます。

得意先企業の規模によっては何度も決算の打ち合わせに出向くこともありますから、他の得意先の通常業務(月次監査など)とのバランスをとるのが重要です。

ただ、確かに5月は忙しいことは忙しいのですが、私が所属していた会計事務所では2月〜3月にかけての確定申告の時期よりは忙しくはないという感じでしたね。

会計事務所の年間スケジュール

会計事務所の年間スケジュールから考えると、以下のようになると思います。

 

  • 2月〜3月:個人事業主の確定申告(忙しいレベル大)
  • 5月:三月決算法人の決算申告(忙しいレベル中)
  • 11月〜12月:年末調整(忙しいレベル小)

 

どこの会計事務所でも大体こんな感じだと思います。

なお、会計事務所への転職活動の真っ最中という方は、この時期は事務所はやや忙しくなりますので、

事務所見学などをする機会があった場合には、ものすごく忙しそうに見えてもいつもこの時期のように忙しいというわけではないですから心配しすぎないように注意しましょう(5月は忙しい時期です)

うちの会計事務所、ブラック企業かも…と思ったら

現在、会計事務所に所属しているけれど、あまりにも忙しすぎる…。

と考えている人は、別の会計事務所に転職することも選択肢として検討して見ることをおすすめします。

私自身、10年間で3社の会計事務所に転職していますが、給料の金額は全く同じなのに業務の忙しさがまったく違うというケースは少なくありません。

将来的に税理士として独立することを考えている人の場合、税理士試験の勉強時間を確保できる環境の会計事務所に所属することはとても大切です。

忙しすぎて税理士試験の勉強ができない…という場合は?

あなたが所属している会計事務所には、科目合格や5科目合格を達成している先輩が複数人いますか?(現在、過去含めて)

もし、税理士資格合格者が過去に1人もいない…というような事務所の場合、ひょっとしたら別の会計事務所にうつることも検討して見るべきかもしれませんよ。

会計事務所経験者がより良い環境の会計事務所への転職を目指すのであれば、会計職専門の転職サイトに無料登録しておくことをおすすめします。

※転職サイトは私たち求職者側はいっさい料金がかかりません。転職サイトにお金を払っているのは人事採用をする企業側だからです)

無料登録すると一般には非公開となっている求人情報(非公開求人)も見れるようになりますので、1社〜3社程度の転職サイトに登録しておくことをおすすめします。

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会計事務所とは、税理士の事務所

会計事務所という言葉とともに「税理士事務所」という言葉もよく聞くという方も多いかもしれませんね。

かんたんにいうとこの2つは同じものです(会計事務所=税理士事務所

業界に詳しくない人に何をする仕事なの?と聞かれて「税理士の事務所だよ」というふうに応えることはありますが(こっちの方がイメージしやすいですyね)、基本的には会計事務所という言葉を使うことがほとんどですね。

会計事務所の仕事は、お客さん企業の経理代行

それでは会計事務所は何をする仕事なのか?についてですが、会計事務所の仕事というのはざっくりいうと「お客さんの企業の経理を代わりに行うこと」です。

もちろん、会計事務所にはたくさんのお客さん企業がありますから、すべてのお客さんを毎日訪問して経理の作業をする…というようなことはできません。

実際には、お客さん企業の経理担当者の方に毎日データの入力をやってもらい、会計事務所の仕事はそのチェックということが多いですね。

決算、税務申告という複雑な仕事も

お客さんがやってくれた作業のチェックだけ?楽ちんすぎない?

と思った方も多いかもしれませんが、実はそれほど楽でもありません。

実際には毎月データを集計してその月の試算表(売上がいくら、経費がいくら、利益がいくらという資料のことです)を作成し、

年に1回決算と税務申告をする…という作業までが会計事務所の仕事になります。

特に税務申告については財務会計や税法についての専門的な知識が必須になります(税務申告というのは簡単にいうと支払わないといけない税金の計算をすることです)

税理士資格を持った税理士(会計事務所に社員として所属しています)が得意先の社長と頭をつきあわせてうんうんいいながら苦労してようやく1つの仕事が終わる…という感じで仕事をしています。

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会計事務所は経営者の相談役

このように、会計事務所の仕事はお客さん企業の「ふところ事情(おさいふの中身)」をすべて知ることになります。

社長が昨日どこでどんなお客さんを接待して、いくらで商品を仕入れていくらで売って…ということを全て知ることになりますので、お客さんの社長からすると「なんでも相談に乗ってもらえる人」ということになるケースが多いです(信頼関係をきちんと築けた場合ですが)

税理士は企業のホームドクターという言い方をされることも多いですが、文字通り「お客さんである経営者の相談役」として仕事をすることになるのです。

会計事務所ではどんな人が仕事をしている?

会計事務所にはいろんな人が所属していますが、大きく分けて次のような人たちがいます。

 

  • 所長税理士(会計事務所のボス)
  • 得意先の担当者①(税理士資格保有者)
  • 得意先の担当者②(税理士資格なし)
  • 内勤の事務スタッフ

 

以下で順番に解説させていただきます。

所長税理士=会計事務所のボス

所長税理士というのは会計事務所の経営者のことですね。

普通の企業でいう社長のことです。

税理士という仕事は1人で起業をするケースが多く、お客さんが増えてきたら次の得意先担当者として社員を雇うという形で拡大していくのが一般的です(1人だけで仕事をしている税理士もたくさんいます)

得意先の担当者

得意先の担当者というのは実際に外部のお客さんとやりとりをして仕事をする人です(所長税理士も外部のお客さんとやりとりをするケースがほとんどです)

得意先の担当者は多くの場合正社員で、将来的には税理士として独立を目指している人が多いです。

税理士資格を持っている人と、持っていない人がいますが、基本的には同じ仕事をしています(税理士資格を持っている人は独立予備軍という感じですね)

男女比では最近ではあんまり関係なくなってきてはいますが、やはり男性の割合が多いのが実情です。

内勤の事務スタッフ

内勤の事務スタッフはお客さんとは直接的にはやりとりはせず、事務所内部での経理データの作成補助や、資料整理、来客応対などの仕事を担当することが多いです。

内勤の事務スタッフは正社員として雇われることもありますが、基本的にはアルバイト、派遣社員としてキャリアをスタートすることが多いです。

最初はアルバイトや派遣社員として仕事を始め、慣れてきたら正社員として登用されるというケースも少なくありません。

内勤の事務スタッフは経理の実務経験を積むことができますので、経理や会計の分野でキャリアアップしていきたいと考えている方にもおすすめですよ(簿記検定などの資格を持っている人は採用されやすいです)

なお、会計事務所は従業員数は数名〜20名程度で、家族的な雰囲気で業務を行なっているところが多いですね(事務所も住宅地に普通にあったりします)

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会計事務所の仕事内容で「巡回監査」ってなんですか?

会計事務所の募集要項を細かくチェックしている人の中には、仕事内容の欄に「巡回監査」という言葉をよく見かけるという方も多いのではないでしょうか。

特にTKC会員(税理士の職業組合みたいなものです)になっている会計事務所ではこの巡回監査を非常に重要視しているので、これから会計事務所への転職を目指す方は事前に巡回監査の意味について理解しておくと良いでしょう。

会計事務所の日常業務:巡回監査

巡回監査とは、文字どおりお客さんの企業を巡回訪問して、会計帳簿を監査(チェック)することをいいます。

ただし、監査とは言っても税理士はお客さん企業のことを第一に考えて仕事をしなくてはなりませんので、お客さんのニーズに沿った形で会計帳簿を整えていくことが基本になります(もちろん、法律に反する形をとることはできませんが)

お客さんのニーズは単純に「税金を安くしたい」ということだけではありません。

税金を安くするためには利益の金額を少なくしなくてはなりませんが、利益の金額が少ないと得意先や金融機関からの評価が下がってしまうというデメリットがあります。

巡回監査は通常1ヶ月に1回行い、月次の試算表を経営者に提出するという形で完了しますが、その際には経営者との面談を行って、事業の状況や会計事務所に対して求めるニーズについて常に把握するように努めることが重要になります。

会計帳簿は監査目線、相談はお客さん目線

会計帳簿の作成は法律のルールに従って行うことが基本になりますので、ルールに沿った形になっていないときにはきちんとお客さんに指摘して修正してもらわなくてはなりません。

こういう意味で巡回監査は「監査」としての側面があります。

ただし、巡回監査でお客さんの事業所を訪問したときには、法律のルールすれすれの相談を受けることもあるのが現実です。

会計事務所の職員は公務員ではなく、お客さんのいるビジネスマンです。

お客さんのニーズを実現するために法律の範囲内でできる限りの方法を探さなくてはなりません。

そういう意味で会計事務所の職員はお客さんの立場に立った仕事が求められます。

お客さんの信頼を得ることがもっとも大切

会計帳簿のチェックでは監査目線が大切ですが、相談を受けるときにはお客さん目線でなくてはならないということですね。

単純に「法律ではこうなっているのでそれはできません」といったような立場を取るだけではお客さんの信頼を損なってしまうケースもありますので注意しましょう。

お客さんと接するときには、お客さんの利益を最大にできるよう努力する姿勢を見せることが極めて大切です。

私の体験談:未経験者でもいきなり先生扱い

以下、私の体験談になりますが参考までに読んでください。

初めて巡回監査で先輩と一緒にお客さんの事業所を訪問したときのことですが、その「扱いのていねいさ」にびっくりした思い出があります。

まずあたたかいコーヒーが出てきて、経理チェックのあいまにはお茶菓子が出てくる、巡回監査終了後にはまたあたたかい緑茶が出てきて「先生、本日はどうもありがとうございました」と深々とお礼をされる…。

正直、これは私にとって仕事というものに対する意識がガラッと変わるほどの衝撃でした。

それまで私は証券会社で営業マンをやっていましたので、お客さんは100件訪問して1件まともに話を聞いてもらうことができればいい、というようなお客さんとの付き合い方しか経験がなかったのです。

これはあなたが税理士資格を持っているかどうかは関係ありませんし、未経験者であることも関係ありません。

お客さんのところに行くときにはあなたは「先生」として扱われることを前提に、経営者に対してしっかりとしたアドバイスができるようにならなくてはならないのです。

お客さんの方が経理にくわしい…という状況も

もちろん、会計事務所の職員と言っても誰しも最初はひよっこですから、先輩についてそのお客さん企業のことをよく知ることから始めます。

会計や税務についてもしっかりと勉強しなくてはアドバイスどころではありませんので、仕事以外の時間にも勉強が必要です(この点は税理士資格の勉強が役に立つでしょう)

最初のうちはお客さん企業の経理担当の人の方が会計や税務について詳しいというようなこともあるかもしれませんが、先輩から離れて仕事を任せられる時までには経理担当者の方からの信頼を得ておかなくてはなりません。

私の場合も、優秀なお客さんの経理担当者にズバズバと質問されて冷や汗をかいた経験は一度や二度ではありませんでした。

中には「頼りないので担当を替えて欲しい」とお客さんに言われてしまい、非常にショックを受けた経験もあります。

会計事務所に勤めたことのある人は、多かれ少なかれこういう経験をしているものです。

先輩になぐさめられながら頑張る日々…

会計事務所の仕事は、お客さんからの期待が大きい分、質の高いサービスを求められます。

これに答えることができない場合には厳しい対応をされてしまうことも少なくないでしょう。

ときには別の会計事務所に乗り換えられてしまうということも考えられます。

私の場合も先輩に「俺もそういうときあったよ」と慰めてもらいながらなんとか諦めずに経験を積んでいったというのが実情です。

会計事務所の職員として良い仕事をするためには日頃から相当な努力が必要であることは間違いないです。

逆に言うと、良い仕事をすれば感謝されながら高い報酬を受け取れるようになりますし、会計事務所で積むことのできる経験はその後のキャリアアップのためにも大いに役立ってくれます。

「これから会計や税務の分野で一流のビジネスマンを目指す!」という高い意欲を持った人は会計事務所への転職を目指す価値は大いにあるといえます。

チャレンジ精神旺盛な方にはぜひ会計事務所で仕事をしていって欲しいと思いますね。

未経験者の方も会計事務所への転職活動をぜひ頑張ってみて下さい。

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会計事務所に転職するメリットやデメリットは?

どんな仕事にもメリットとデメリットがあります。

特に20代〜30代前半の時期にどの仕事を選ぶかは、その後のキャリアに大きく影響してきますから、それぞれの仕事にどんな長所や短所があるかを知っておくことは大切だと思いますよ。

ここでは会計事務所で10年ほど働いてみた私の体験談になりますが、会計事務所に転職するメリットやデメリットについて具体的に解説させていただきます。

会計事務所に転職するメリット

私が会計事務所に20代で転職して、10年ほど働いてみてメリットだと感じたことは、「若いうちにレベルの高い仕事を経験できたこと」だと思っています。

会計事務所(税理士事務所)の仕事では、20代前半の未経験で入社したとしてもいきなり決算や税務申告といったレベルの高い仕事に取り組むことが可能になります。

これって実はかなりすごいことなんです。

一般企業に経理職で入社した場合、決算や税務申告の仕事ができるのは一部の管理職の人だけで、この仕事をやらせてもらえるようになるためには5年〜10年ぐらいは経験を積まないといけないというのが実際のところです(私は一般企業経理の経験もありますので、この辺りは間違いないです)

会計事務所で経験を積むメリットは大きい

会計事務所で積んだ経験は、その後のキャリアアップのために大いに役立ってくれます。

私の場合で言えば、会計事務所で働いた経験を生かして一般企業の経理管理職にステプアップすることができました。

年収も大幅にアップできましたし、管理職としてチームを率いる立場の役職につくこともできましたので、会計事務所で数年間経験を積んでその後は経理職に転職でキャリアアップしていくという進路はおすすめですよ。

もちろん、会計事務所への転職を目指す人の多くは税理士として独立を目指している人が多いでしょう。

ですが、会計事務所で若いうちからレベルの高い仕事の経験を積めば、その後の選択肢は大きく広がっていくということは知っておいて損はないと思いますよ。

「会計事務所勤務→経理管理職で転職」という形でキャリアアップしていく方法については以下の記事で詳しく書いているので参考にしてみてください。

>>一般企業経理と会計事務所転職のどちらがおすすめ?

会計事務所に転職するデメリット

会計事務所に転職するデメリットについても知っておきましょう。

一番大きなデメリットは、経験の浅いうちには仕事量に対して収入が低い会計事務所が少なくないことです。

会計事務所の仕事は忙しい時期には非常に激務です。

特に、確定申告業務がある年末〜3月にかけてや、三月決算法人の決算業務がある5月ごろには深夜まで仕事をするということも珍しくはありません。

※会計事務所の忙しい時期の仕事内容については以下の記事も参考にしてみてください。

>>会計事務所は忙しい時期には激務ですか?

もちろん、忙しくてもその分しっかりとボーナスや昇給という形で報いてくれるのであれば不満はありませんよね。

しかし、会計事務所は従業員数10人以内の小規模な企業であることが多いので、福利厚生は大企業に比べるとかなり悪いケースが少なくないのです。

この対策としては、①比較的大きな規模の会計事務所(従業員数20人〜)に入ることと、②数年間は「キャリアアップのための修行期間」と割り切って仕事をこなすことの2つが考えられます。

以下、順番に解説していきます。

対策①:大きい会計事務所を目指す

比較的大きな会計事務所の場合には、忙しい時期には社員同士で仕事の割り振りを柔軟に行う仕組みができていることが多いことが挙げられます。

また、社員教育や福利厚生もしっかりしている可能性が高いということにも注目しておくべきですね。

大規模事務所では、組織の規模を維持するために従業員が辞めてしまわないような福利厚生(給与や役職アップの仕組みなど)の仕組みも小さな会計事務所に比べると充実していることが多いのです。

さらに、大規模事務所では周りに税理士資格の取得を目指している人が多いので、環境的に税理士資格の勉強をしやすいというメリットもありますよ。

周りに同じ勉強をしている人がいるのと、いないのとでは合格へのモチベーションが大きく違ってくるのは間違いないです。

対策②:数年間は修行、と割り切る

小規模な会計事務所に入社する場合には、数年間は「キャリアアップのための修行」と割り切ってハードな実務と資格の勉強の両立を気合いを入れて頑張るという意識を持つ必要があります。

小規模な会計事務所は収入が少ないのは事実ですが、早く実務経験を積んで独立してしまうというプランを立てている人には大きな問題とはならないでしょう。

会計事務所内部での出世や収入アップよりも、さっさと独立をしてしまいたいという方の場合は小規模な会計事務所を選択することにもメリットはあります。

小さい会計事務所であれば、1件のお客さんの仕事を最初から最後まで完結で担当できるからです。

ここで積んだ実務経験は、税理士資格取得後に独立する時に大いに生きてくるでしょう。

もちろん、その分仕事の難易度は高くなりますが、それを「経験値アップのため」ととらえられる人は小規模の会計事務所をあえて選ぶというのもアリだと思います。

ただし、業務が忙しすぎて税理士資格の勉強ができない…となってしまうと本末転倒です。

こういう事態にならないよう、転職活動を行う段階で志望する会計事務所の環境を事前チェックしておきましょう。

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税理士は独立しても営業ができないと年収は低い?

税理士を目指しているという人の多くが、将来的には独立して仕事をしたいと考えていますよね。

将来的に独立を考えている人が不安に感じることとして、「もし税理士資格を取って独立したとしても、営業でお客さんを取ってくることはできるだろうか?」という点があると思います。

ここでは税理士の仕事と営業の関係について考えてみましょう。

税理士になっても合格してもそれだけでは食っていけない

晴れて税理士試験に合格!実務経験も積んで基本的な仕事もできるようになったから次は独立だ!

ちょっと待ってください。大事なことを忘れています…そう、お客さんをとってくることです。

税理士として独立するということは、自分の名前でお客さんと契約を結んで毎月顧問報酬という形でお金を支払ってもらわなくてはなりません。

このレベルになると今までやってきた仕事や勉強とはまったく違う分野の能力が問われることになります。

独立後は営業の仕事がほとんど?

税理士を目指す人はどちらかというと内気な人が多い…というのが私の個人的な感想なのですが、独立して仕事をするからには営業力は必須だと思いますね。

実際、私の友人にも税理士として独立している人が何人かいますが、「自分の仕事は基本的に営業マンみたいなもんだよ」と言っている人が多いです。

決算や税務の仕事自体はなれてしまえば職員でも組織力で自動的に動いていくので、所長の仕事は既存のお客さんとの信頼構築と新規顧客の開拓という場合が多いようです。

これから会計事務所への転職を目指すという方は、会計事務所の仕事の仕組みがどのようになっているのか?ということを理解しておくことは大切です。

こういうことを理解した上で転職活動の面接などに臨むと採用の確率もアップするという面もあります。

独立したら、自分で営業してお客さんをとってこなくてはならない

会計事務所が収益を上げるためには、見込みのお客さんを連れてきてセールスを行い、最終的に顧問契約という形で成約しなくてはなりません。

成約したお客さんには質の高いサービスを提供して固定客になってもらってようやく会計事務所の売上が発生することになります。

売上が上がらないことにはどんなビジネスも成立しません。これは税理士も同じことです。

一昔前までは黙って看板を出しているだけでも「街の税理士先生」として確定申告の仕事や法人の顧問契約の仕事が舞い込んでいたかもしれませんが、今は税理士業界も競争の時代です。

会計ソフトがどんどん進化しているのでお客さんも高い顧問料を支払ってまで税理士に会計を見てもらう意味は低下していっているというのが実情です。

会計事務所にいる時から「税理士としてどういう仕事をすればたくさんのお客さんにお金を払ってもらうことができるだろうか?」ということは考えておきましょう。

具体的には経理代行以外の付加価値の高いサービス(お客さん企業の銀行融資が通りやすくなるように支援したり、会計を経営に情報として活かせるようになったり…)を提供していかなくては今後の税理士は厳しいでしょう。

税理士として独立、以外の道もある

私の場合は、会計事務所で10年間働き、結局税理士試験には合格できなかった(科目合格だけしかできませんでした)ために別の進路を歩むことになりました。

現在は一般企業の経理部で管理職として仕事をしています。幹部候補としての転職ができたので、やがては経営者レベル(役員レベル)に昇進できるよう真剣にサラリーマンを頑張っているところですね。

当初思い描いていた「税理士として独立!」という夢は果たすことができませんでしたが、今はこれで良かったのかなと思っています。具体的なメリットとしては以下のようなことがあります。

会計事務所ではできない仕事に取り組めるというメリット

まず、なんといってもある程度の企業に属していることで収入は安定しています。30代になり家族になってからは正直に言ってこれは大きいですね。

また、会計事務所にいたらできなかったであろうスケールの大きい仕事に取り組めるという楽しみがあります。

たとえば決算と税務申告をスタッフと協力しながら「自分の会社の決算」としてやっていくことや、金融機関との交渉、公認会計士の監査対応や国際会計基準に対応するための会社の体制構築などがあります。

私の場合、こういう仕事をやるための基礎は会計事務所時代につちかわれたものだと思っています。会計や税務の勉強を一時期みっちりとできたのは結果としてよかったですね。

税理士を目指す人の多くは将来的には独立を考えていると思いますが、会計事務所で経験を積めばさまざまな進路が開けていくことも知っておくと良いと思いますよ。

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会計事務所に転職して成功だった?

個人的な感想になってしまいますが、会計事務所に転職できたことはその後のキャリアを考えると成功だったと思っています。

私は、20代後半で会計事務所に入社し、その後一般企業の経理に転職しました。

もともとは税理士として独立することを目指していたんですが、税理士資格にどうしても合格できなかった(科目合格だけ)こともあって方向転換したという感じですね。

会計事務所での経験は経理への転職でも有利に働く

会計事務所での実務経験は経理転職にも非常に有利だと思います。

会計事務所の仕事というのは一般企業の経理担当者にアドバイスをして、経理がちゃんとまわるように支援することですから、一般企業の経理の仕事よりも1つ上のレベルで仕事をする感じになります。

具体的には、1人で20社〜30社ぐらいのクライアント企業を担当して、そのクライアント企業に所属している経理担当者と相談しながら決算を進めていくというのが会計事務所の仕事です。

20社のクライアント企業を担当していたとしたら、年間で20回も決算業務をやるということになります。

当時は何気なくやっていましたが、これって実はすごいことなんですよ(一般企業の軽入りからみると)

一般企業の経理担当者が年に1回しかやらない決算を20回やるわけですから、それだけ濃い実務経験を積めるのは間違いないです。

これが例えば5年間の実務経験になると…経験に圧倒的な差が出るのは当然ですよね。

一般企業経理で幹部になれる人となれない人の違い

一般企業の経理担当者の転職では、「決算業務の経験はあるか?」が一つの基準になります。

ざっくりいうと、決算業務の経験がある人は幹部候補で採用で、決算業務の経験がない人は一般経理スタッフとして採用、という判断の仕方をしている企業が多いのではないでしょうか。

これに関しては会計事務所の経験者としては圧倒的に豊富な経験をアピールできることになります。

なんせ普通の経理経験者が1年に1回しかやらない決算業務を、毎年20回〜30回やってきているわけですからね。

つまり、会計事務所に転職してしっかりと経験を積んでおけば、税理士としての独立というキャリア以外にも一般企業経理への管理職としての転職という道もひらけるわけです。

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会計事務所の仕事は内勤?顧客と直接会うことはあるの?

会計事務所の仕事には「お客さんの担当者」と「内勤スタッフ」の2種類があります。

お客さんの担当者として働く場合には1ヶ月に1回という形でお客さんの事業所を訪問することが多いと思います。

一方で、内勤スタッフは基本的に会計事務所内部でのお仕事になりますので、来客などがない限りお客さんと会うことは基本的には少ないでしょう。

正社員としてバリバリ働くという人であればお客さんの担当者、パートやアルバイトとして仕事を見つけるという人であれば内勤スタッフということになります。

内勤事務はデータ入力作業が中心

内勤事務の仕事内容ですが、パソコンを使ったデータ入力作業や電話応対などが中心になると思います。

その他ファイル資料の整理や、社員の経費精算などの事務作業が発生します。

会計事務所内部で発生する様々な事務作業を総合的に行うという感じですね。

一般的なイメージでいう「内勤事務」と考えておいて問題ありませんが、会計事務所の場合には「会計データの入力作業」という特殊な仕事が発生する可能性があります。

これはお客さん企業の「手書きの会計データ」をパソコンにデータとして保管していく作業のことです。

最近ではパソコンの会計ソフトを使って経理を行うのが一般的ですが、昔ながらの会社や小規模な会社の場合、今でも手書きで会計帳簿を作成しているという場合も少なくないのです。

こういったお客さんの会計資料をパソコンのデータに落とし込んで、そのデータをもとに決算書や税務申告を行うという仕事を会計事務所では行っているわけですね。

内勤事務の方のデータ入力作業は会計事務所の仕事では欠かすことのできない仕事ということができます。

内勤事務はパート女性が中心。お客さん担当は男女関係なし

私は10年間で3社の会計事務所に転職しましたが、いずれの会計事務所でも内勤事務の職員はパートの女性で、正社員はお客さん担当という形になっていました。

また、内勤のパート事務は基本的に女性の採用が一般的です。

会計事務所の所長税理士の奥さんや娘さんが担当していることも多かったですね(小規模な税理士事務所はこういう家族的な経営をしているところも多いです)

一方で、お客さん担当の職員は男女はあんまり関係ないことが多いです。女性であっても税理士資格の勉強をしながら仕事をしている人はたくさんいますよ。

会計事務所への転職を目指すなら転職エージェントには必ず登録しておこう

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会計事務所に向いている人、向いていない人

今回は、会計事務所に向いている人と、向いていない人について考えてみたいと思います。

職業についての適性について考えるときには「性格的な部分」と「仕事環境」の面で考えてみると良いと思います。

性格的に会計事務所に向いている人

性格的な面から会計事務所に向いているかどうか?について考えてみましょう。

会計事務所の仕事というのは基本的に経理や税務の代行ですから、企業の数字についてかなりシビアな仕事をすることになります。

1円単位で正確な仕事ができているかどうか?が当然問われますから、「数字なんてみるのも嫌い…」という人はさすがに厳しい面があるでしょう。

①几帳面な人じゃないとダメ?

ただ、実際に会計事務所で仕事をしていると「正確的に几帳面でちゃんとした人でないとダメ」ということはまったくないというのが実感です。

正確的にかなりざっくりした人でも優秀な人はたくさんいますし、バリバリの営業出身という人でも会計事務所の仕事をきっちりとこなせている人は少なくありません。

②会計事務所もコミュニケーション能力が必要

また、会計事務所のお客さんは中小企業の経営者の人ですから、コミュニケーション能力も重要です。

この点で体育会系の人は意外に会計事務所には向いているかもしれません。

営業畑出身の人はお客さんからの紹介で新規の得意先を取ってくるという人も少なくないですね。

ただ、会計という仕事上、得意先との癒着(ゆちゃく)のようなことは避ける必要があるため得意先との飲み会のようなことは少ないですね。

仕事環境で会計事務所に向いている人

仕事環境的にどういう人が会計事務所に向いているか?についても考えてみましょう。

会計事務所で働いている人は、基本的に「独立を目指して税理士の勉強をしている人」が多いです。

そのため、雇う側の会計事務所としても「勉強しながら働かせてあげるから、給料は安いけど頑張ってね」的なスタンスのところも少なくないです。

昔ながらの会計事務所だと、ボス税理士と従業員とは「師匠と弟子」みたいな関係のところも少なくないですね。

ただ、最近ではもっとドライでビジネスライクな会計事務所も増えてきています。

転職エージェントなどを使って非公開の求人情報などは日頃からチェックしておくと良いと思いますよ。

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【会計事務所の仕事の実態】残業は多い?

会計事務所の仕事内容

これから会計事務所への転職を目指す人にとって、仕事の実態がどうなっているのか?は入社前に知っておきたいことですよね。 特に、税理士試験の勉強中の人にとっては「残業がどのぐらいあるのか?」はかなり気になる点だと思います。 ここでは、3社の会計事務所で合計10年間働いていた私の体験談を書かせていただきます。

会計事務所の月末は忙しい?

会計事務所の仕事内容

会計事務所に入りたての方の場合、月初と月末で忙しいと感じる度合いがまったく違う…ととまどってしまっている方も多いかもしれません。 今回は、会計事務所の仕事が月末に忙しい理由と、繁忙期といわれる月が生まれる根本的な理由について解説させていただきます。

会計事務所の仕事はコミュ障の人に向いているか?

会計事務所の仕事内容

会計事務所というと、どちらかというと真面目で大人しいタイプの人たちが数字とにらめっこしながら電卓を叩いている…というイメージを持っている方も多いかもしれません。 いわゆる「コミュ障(職場などでコミュニケーションを取るのが苦手な人たち)」といわれる人たちが目指す職業として会計事務所があげられることも多いでしょう。 今回は会計事務所の仕事内容について、コミュニケーション能力の必要性という側面から解説させていただきます。

【会計事務所転職の実態】有資格者の割合や給料の相場は?

会計事務所の仕事内容

会計事務所への転職を目指している方にとって、入社前に会計事務所の実態をできるだけ具体的に知っておくことはとても大切なことです。 実際に会計事務所で働いている人がどんな人たちなのか?や給料の相場はいくらぐらいなのか?といった実態については転職活動を始める前にしっかりと確認しておきましょう。

会計事務所の仕事内容で、パソコン知識はどの程度必要?

会計事務所の仕事内容

会計事務所への転職や、税理士補助の求人を探している人の中には、「業務をやっていく上でパソコンの知識がどの程度必要なのだろう?」と不安に感じている方も多いかもしれません。 今回は、会計事務所への転職を目指す人にパソコンの知識がどの程度必要か?について解説させていただきます。

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