会計事務所への転職を目指す場合、事務所の規模によって3つの選択肢があります。
それぞれの規模の会計事務所によって採用を行っている背景や求める人材像が異なりますので、あなたが狙っている会計事務所の規模を把握した上で準備をしておくことが大切です。
選択肢1:大手会計事務所(ビッグ4)
税理士法人トーマツ、EY税理士法人、KPMG税理士法人、税理士法人プライスウォーターハウスクーパースの4社はビッグ4といわれる超大手の会計事務所です。
国際税務や国際会計基準などを扱うメインの部署で働きたい場合には英語力は必須になります。
国内の税理士資格や公認会計士資格の他に、USCPAやBATIC、海外MBA卒業などで英語能力をしっかりとつけた上で転職活動に望む人が多いですね。
差別化のポイントはやはり英語力と英文会計の知識をアピールすることです。
英語に関して苦手意識のある人は多いですが、継続的に努力を続けていればTOEIC700点〜800点ぐらいであれば税理士試験に望むだけの根気のある人であればすぐに到達できますよ。
ビッグ4入社後にはかなりタフな仕事と同僚との競争関係になることを覚悟しておく必要がありますが、結果を出すことができれば圧倒的に高い年収とキャリアを得ることができるのは間違いありません。
ビッグ4会計事務所へのアピールポイント
英語運用能力(TOEIC800点〜)
国際会計、国際税務の知識をアピール
選択肢2:中堅会計事務所(従業員100名超)
会計事務所転職で年収を大幅アップすることを目指す人の多くが、この規模の中堅会計事務所への転職を狙っていると思います。
具体的な社名でいうと辻本郷税理士法人、税理士法人山田&パートナーズ、東京共同会計事務所、税理士法人レガシイ、税理士法人AGSなど、従業員数が100名を超える会計事務所が該当します。
ライバルの多い中堅会計事務所への転職を有利に進めるためには、「中堅会計事務所特有の弱点、弱み」を上手についていく必要があります。
中堅会計事務所の弱みというのは、実務経験のある人材がビッグ4に流れてしまう傾向があり、その分、全国展開をしていきたいのに人材が足りていないという点です。
つまりは即戦力を求めている背景があるということですね。
そのため、中堅会計事務所への転職を希望する方がアピールするべきポイントとしては、「実務にすぐにでも対応できる」という経験値(具体的には入社してすぐに担当の得意先を持てるということです)と、
拡大中の事務所でアグレッシブに仕事をしたい(超大手よりも、これから拡大していく事務所で仕事をしたい)という姿勢を見せることの2つが考えられます。
中堅会計事務所へのアピールポイント
実務に即応できる経験値(入社後すぐに担当を持てること)
拡大を目指す事務所内でアグレッシブに仕事をしたいという熱意
選択肢3:小規模会計事務所(従業員数名〜30名程度)
日本国内の90%以上の会計事務所がこの小規模会計事務所に該当します。
中堅〜ビッグ4会計事務所への転職を狙う方も、同時進行でこれらの小規模会計事務所への転職活動を進めていくことが確実なキャリアアップにつながるでしょう。
小規模会計事務所の多くが得意先企業の会計ソフト導入、格安の記帳代行業社との価格競争のあおりを受けています。
所長税理士が高齢のため事業承継を真剣に検討しているというケースも多く、後継者となりうる税理士資格保有者(科目合格者)や、すでに後継者として決まっている2代目税理士をささえてくれる人材を探している傾向があります。
ブラック会計事務所が多いのもこの規模の会計事務所の特徴ですが、中にはキラリと光る特化分野を持つ会計事務所もあります。
たとえば、顧問料無料などの新しいサービスの形を提案していたり、資産税などの税法分野に強かったりといった「その事務所の独自色」をアピールしている会計事務所は転職先として有望です。
小規模会計事務所への転職活動では、上で解説させていただいた避けるべき会計事務所の特徴を押さえた上で、独自色の強い会計事務所を見極めていくことが大切です。
小規模会計事務所への転職ポイント
避けるべき会計事務所の特徴(前述)を押さえた上で、事務所規模拡大に積極的な会計事務所求人をしぼりこむ