会計事務所への転職を考えている人の中には、「会計事務所は残業が多いらしい」という話を聞いたことがあるという方もおられるかもしれません。

結論から言うと、会計事務所は繁忙期には残業がほぼ間違いなくあります。

会計事務所の仕事というのはお客さんである企業の決算業務がメインですから、お客さんの決算が集中する時期には業務量がぐっと多くなってしまうのです。

問題は、残業代がきっちりと出るか?そして体調を崩してしまうぐらいの残業量とならないか?です。

この点に関してはどの会計事務所を選ぶかによってかなり事情が違ってきますから、良い求人と悪い求人(ブラックな求人)を見分ける判断基準をしっかりと持っておく必要があります。

今回はきちんと残業代が出る会計事務所、そして多すぎる残業量とならない会計事務所求人の判断方法について解説させていただきます。


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会計事務所の残業時間についての判断基準

会計事務所で残業代がきちんと出るか?の判断をきっちりするときにポイントになるのが「みなし残業時間」です。

求人情報では明示されていることは少ないのですが、入社段階まで進んで雇用契約書をかわすときには必ずこのみなし残業時間についての説明があるはずですので確認するようにしましょう。

みなし残業時間とは

そもそもみなし残業って?という方向けに説明させていただきます。

みなし残業制度というのは、簡単にいうと「残業時間を基本給にプラスする」という仕組みのことです。

過去の経験上、この仕事は毎月このぐらいの残業が出るから、その分はあらかじめ基本給に上乗せしておきますよというわけですね。

みなし残業の具体例

わかりやすいように時給制の仕事で考えてみましょう。

例えば、時給1000円の仕事で、通常の勤務時間は1日8時間で、1ヶ月に20日間勤務だったとしましょう。

そうすると1ヶ月に稼げる金額は1000円×8時間×20日間=16万円ということになりますね。

ですが、この仕事は普通にやると通常1ヶ月に20時間ぐらいは残業が発生する仕事だったとします。

その場合、企業側は20時間分の賃金をあらかじめ計算し、基本給に上乗せするという形で雇用契約を結ぶことがあるのです。

上の例であれば時給1000円×20時間=2万円を基本給に上乗せして月給18万円で雇用契約を結ぶようなケースが考えられます。

これは基本給ですから、働く側としては「残業をしてもしなくても残業代が出る」という状態になります。


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みなし残業のメリットとデメリット

みなし残業であれば「残業をしてもしなくても残業代が出る」ということになるわけですから良いことのように思いますよね。

しかし、みなし残業にはメリットとデメリットがあります。

みなし残業のメリット

従業員側の立場で見たときのみなし残業のメリットとしては、仕事を早く済ませて定時で帰ることができれば残業代をただでもらうことができる点が挙げられます。

上の例で言えば、仕事が早い人が残業を月に1時間もせずにこなせたとすると労働時間は通常の勤務時間である8時間×20日間=160時間だったとします。

みなし残業込みだと月給は18万円の仕事ですので、時給を計算すると18万円÷160時間=時給1125円ということになります。

募集内容では時給1000円でも、実質的には時給1125円で働けるというわけですね。

このように、仕事が早い人にとってはみなし残業は時給アップにつながるというメリットがあります。

みなし残業のデメリット

一方で、みなし残業のデメリットとしては「みなし残業を悪用している企業がある」という点です。

企業側からも労働者側からもよく誤解されている点なのですが、みなし残業時間というのはあくまでも雇用契約書で「みなし残業時間は〜時間とする」と定めたその時間数の分だけに適用されるものです。

たとえばみなし残業時間が月20時間と決められているのであれば、もし残業時間が30時間だったとすると、超過分の10時間(30時間−20時間)については通常通り残業代を支払わなくてはならないのです。

これが本来の形なのですが、実際には労働者側の無知につけ込んで「うちはみなし残業だから残業代はいっさい出ない」という扱いにしているところが珍しくないのです。

最低賃金を下回っていることも…

あるいは、みなし残業時間を月に40時間や50時間といったように極端に長くしていて、実質的な時給が労働基準法で定められている最低賃金を下回っているようなところも少なくないので注意が必要です。

例えば、東京都の最低賃金は932円(平成28年10月〜)ですが、月給18万円で月あたりの労働時間が200時間を超えるような場合には、最低賃金を大幅に下回ってしまいます(月給18万円÷労働時間200時間=900円

労働時間200時間というと長いように感じますが、週5日の仕事であれば1日あたり10時間の勤務になるとすぐにこれを超えてしまいます。

会計事務所の場合、繁忙期には通常の勤務プラス2時間ぐらいの残業は普通というところが少なくないですから、自分の賃金が最低賃金を下回っているのではないか?は常に注意しておく必要があります。


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残業時間などの情報を応募前に知るには?

残業時間が多すぎない、あるいは残業代をきっちり出してくれる会計事務所の求人を探すためには、その会計事務所の業務内容に詳しい人(過去に働いたことのある人など)に聞くのが一番良いです。

しかし、なんらかのコネがない限りはそういうことは通常難しいですよね。

その場合には、転職エージェント(転職サイトに無料登録すると使えます)に依頼することも検討してみると良いでしょう。

転職エージェントは一つの職場の求人情報を複数回にわたって扱いますので、「今回求人を出しているこの会計事務所は時給が高いですが、実は残業時間がとても多いのでやめていく人が多いんです」とか、

「この会計事務所は実はみなし残業時間が極端に長いので実質的に最低賃金なんですよ」といったようなアドバイスをもらうことができますよ。

転職活動についてアドバイスを受ける

また、会計事務所の面接に通りやすい受け答えの仕方や、職務経歴書の送り方についてもアドバイスをしてくれる転職エージェントも多いですから、会計事務所への転職が初めてという方も心強いと思いますよ。

ちなみに転職エージェントに対してお金を払っているのは採用活動をしている企業(会計事務所)側ですから、私たち働く側は完全無料で使うことができます。

何度相談しても料金が発生するようなことはありませんから、安心して使うことができますよ。

※私が実際に使っていた転職エージェントはこちら

会計事務所での仕事のやりがいはどんなことですか?

仕事内容や年収など、会計事務所への転職活動をするにあたって気になることはたくさんあると思いますが、「仕事のやりがい」に関しても情報収集しておきましょう。

ここでは10年間で3つの会計事務所を経験した私の体験談を書かせていただきますので、参考にしてみてくださいね。

税理士業務のやりがいは「経営者の参謀」としての仕事

会計事務所のお客さんは、中小企業の経営者です。あなたは世間で社長と呼ばれる人たちと直接やりとりをして仕事をすることになります。

私自身が会計事務所の仕事で最もやりがいを感じていたのは、お客さんである経営者の人たちとたくさん知り合うことができ、高い視点で仕事ができたことです。

世の中にはいろんな仕事があると思いますが、経営者がお客さんで、しかも経営についてアドバイスするのが仕事、というものはなかなかないですよね。

税理士業務として彼らに接するときには、あなたは「先生」として扱われることになります。ちょっと大げさな言い方をすれば「経営者の参謀」として仕事をするというわけです。

この点はあなたの年齢がまだ20代であったり、30代前半であったりしても関係ありません。実際、私も未経験で会計事務所に入社した20代の頃からお客さんのところにいくと「先生」と呼ばれていましたからね。

会計や税務についてのアドバイスは、会計事務所のお客さんである経営者にとって死活問題ですから、いい仕事ができたときにはお役に立てているという実感は非常に高かったですよ。

仕事には何よりもやりがいを求める!若いうちから経営者目線で経験を積みたい!という方には会計事務所の仕事はおすすめです。

会計事務所の年収は?

仕事にやりがいは大切ですが、年収があまりに低くてはプライドを持てない…というのが実際のところです。

仕事のやりがいは最低限の年収が前提になると思います。

20代のうちは低収入でも夢をもってやっていけますが、30代になったり家族ができたり…となると低収入ではとてもやっていけません。

会計事務所での年収は入社して間もない間は400万円ぐらいでしょう。

私が20代未経験で入社した頃の初任給は手取りで20万円あるかないかぐらいだったと思います(未経験の場合、これでも高い方です)

もちろん、年数を経るにしたがって給料は徐々にアップしていきますし、税理士資格を取得したら資格手当として月給がアップする会計事務所も少なくないです。

臨時ボーナスがでることも

さらに、私が所属していた会計事務所では、新規のお客さんを紹介してもらったり、各種の提案(生命保険加入や提携している他の専門家の紹介)が通ったりしたときには臨時ボーナスがもらえていました。

お客さん企業への大きな生命保険の提案(節税対策として提案することがあります)に成功したときには、月給がいきなり50万円ぐらい加算されたことがあってびっくりしましたね。

会計事務所の年収を考えるときには、基本給だけで考えるのではなく、いろんな臨時ボーナスがあることも知っておくと良いでしょう。

私の経験談:転職するときに会計事務所の実務経験は「お宝」になる

また、会計事務所で積んだ実務経験はその後の転職活動に非常に有利に働きます。

私自身の実体験としては、会計事務所で約10年間仕事をした後に一般企業の幹部候補として経理管理職に転職することができました。年収も大幅にアップできましたよ。

その際には会計事務所で積んだ決算や税務に関する実務経験が高く評価されたと思っています。こういう実務知識は転職市場での評価が非常に高い「お宝」になるのは間違いないです。

もともとは税理士を目指して会計事務所に転職しましたが、当初のキャリアプランにとらわれすぎずに、視野を広げて転職活動をしたことが良い結果につながったと思っています(税理士試験は結局科目合格しかできませんでしたけどね)

会計事務所で経験を積んだ後の選択肢

もともと私は、転職を考え始めたときには別の会計事務所に行くこと以外には考えていませんでした。

実際に何社か会計事務所の面接をしましたが、正直にいって「前の仕事の延長だな」とややマンネリを感じていた自分がいたんです。

そんな時に、当時お願いしていた転職エージェントの人に「一般企業の経理管理職ですが、いい求人案件がありますよ」と紹介してもらったのが、いま私が所属している会社です。

結果として良い提案をしてくれてありがたかったなと思っています。

自分一人で転職活動をしていたら絶対に視野に入っていなかった選択肢だったので、客観的に自分の経験や適性、性格を判断してもらうことは大切ですね。

会計事務所での経験は経理管理職への転職につながることも

これから会計事務所への転職を目指すという方はおそらく税理士になって、将来的には独立を目指している方が多いと思います。

ですが、会計事務所で経験を積んだ後のあなたには、税理士として独立する以外にもたくさんの選択肢が用意されているということは知っておくと良いでしょう。

少しでも年収が高く、福利厚生が良い会計事務所や経理職への転職を目指すのであれば、転職エージェントには必ず登録しておくことをおすすめします。

その際にはできれば会計分野に強い転職エージェントを選んでください。

転職エージェントからは履歴書の書き方や面接対策などいろんなことをアドバイスしてもらえますが、会計職を専門としている人からはより効果的な助言を得ることができますよ(逆に、会計職専門でないエージェントは「やや頼りないかな…」と感じることがしばしばありました)

ちなみに転職エージェントは無料で使えますよ(転職エージェントに手数料を払うのは採用側の企業だからです)