会計事務所の仕事というのは、基本的にはお客さんである得意先企業の決算と税務申告です。
企業の決算と税務申告の期限は「決算月の翌々月末日まで」というのが法律のルールですから、月末に間に合うように仕事を進めていく必要があります。
(例えば、3月決算の得意先の場合、5月31日までに決算と税務申告を完了しなくてはなりません)
月末を目標に仕事を進めていきますから、必然的に月末近辺は忙しい…という状況になるわけですね(これを予測して月初や前の月の早い時期に仕事に着手できるかどうか?が仕事の早い人と遅い人の違いになりがちです)
「繁忙期」が生まれる理由
1人の会計事務所職員につき20件〜30件程度の得意先を担当するのが普通ですが、例えば30件の得意先を担当している人であれば年に30回の年次決算をやることになります。
年次決算を何月にやるか?はそれぞれの得意先によって異なりますから、理想的には毎月適度にばらけて欲しいところですね(法人の場合、決算月を何月にするか?は設立時に自由に選べます)
しかし、実際には法人得意先は3月決算や12月決算というところが多いですし、個人事業主の決算(=確定申告)は2月16日〜3月15日の間と法律で決まっています。
担当する得意先の組み合わせによっては一つの月に自分の担当する得意先の年次決算が集中するということもあるでしょう(こうして「繁忙期」が生まれます)
年末調整のように、個人事業主、法人事業主問わずすべての企業で期限が共通である業務に関しても業務が集中する傾向があります。
重要なのはひまな時にどれだけ仕事をするか
会計事務所の仕事はこのようなルーティンに従って進んでいきますから、基本的には「いつが忙しくなって、いつが比較的ひまか」ということは予測しやすい仕事ともいえます。
大切なことは忙しい時期に備えて、ひまな時期にどれだけ前倒しで仕事にとりかかれるか?です。
例えば3月決算の担当得意先が多い人であれば、5月が忙しくなることは最初からわかっていることです。
そうであれば4月の最終となる月次監査や、それより少し前の段階から決算に向けて得意先経営者や担当者と打ち合わせを進め、後は決算整理の仕訳を入れるだけ…の状態まで進めておくのが望ましいでしょう。
このように、繁忙期に集中しがちな業務をいかに平準化(忙しくない時期に割り振るか)するかが会計事務所の仕事をスムーズに進めていくコツと言えると思います。