会計系事務所で働くことを考えている人は、多くが税理士資格の取得を目指していると思います。
ただ、まだ税理士資格の勉強を始めたばかりという方や、会計事務所で働きたいけれど税理士資格は目指していないという方も少なくないでしょう。
ここでは、とりあえず会計事務所の基本業務ができるようになるために準備をしておきたいという方向けに、
税理士資格以外に持っておくと有利な資格について解説させていただきます。
具体的には会計知識についての資格と、社会保険についての資格の2種類があります。
↓ ↓ ↓
この記事の目次
会計知識についての資格
会計の知識を得られる資格は大きく分けてさらに2種類があります。
ちょっとややこしい説明になってしまったので、全体像を示すと以下のようになります(最後の「まとめ」も参考にしてみてください)
(1)会計についての資格
①決算書を「作る」ための資格
- 簿記検定
- 税務会計能力検定
②決算書を「読む」ための資格
- ビジネス会計検定
- 中小企業診断士
(2)社会保険についての資格
- FP技能検定
- 社会保険労務士
えっと、これでもややこしいですね…。
まとめで一覧にしてますのでこっちの方がわかりやすいです。
会計事務所の仕事は決算書を作って税務申告を行うことなので基本的には上の①の決算書を作るための資格取得が基本になります(簿記検定と税務会計能力検定の2つ)
しかし、ときには得意先の経営者から会計目線からのコンサルティング的な仕事を期待されることがあります。
そのような場合には②の決算書を読むための知識を問う資格(ビジネス会計検定や中小企業診断士)を持っていると適切なアドバイスができるようになりますよ。
決算書を「作る」知識を問う資格
これらは会計事務所のメイン業務(会計決算と税務申告)をスムーズに行う知識を体系的に得るためにはぴったりな資格です。
簿記検定(1級〜4級)
簿記検定は2級までであれば独学でも十分対応できると思いますが、簿記1級を目指すのであれば資格スクールに通うことを前提で準備する必要があります(あまりお金をかけたくない人は通信教育でもいいと思います)
※資格スクールの無料資料請求はこちら↓
ただし、簿記検定は税務知識については守備範囲外になります。
会計事務所志望の方や、これから会計事務所で働くことが決まっている方は、簿記検定の勉強をしつつ、さらに税務知識についても準備をしておくのが良いです。
税務知識については次の税務会計能力検定も同時進行で勉強しておくと良いでしょう↓
税務会計能力検定(1級〜4級)
税務会計能力検定では、会計事務所業務の基本となる所得税、法人税、消費税の3法について基本的な知識を資格試験を通して理解することができますよ。
税務会計能力検定はややマイナー(少数派)な資格になりますので、受験対策をやっている資格スクールはほとんどありません。
(会計事務所の仕事にとってはかなりピンポイントな知識を学べるのでおすすめなのですが)
税務会計能力検定の受験対策は基本的に独学になりますので、しっかりと計画をたてて取り組みましょう。
なお、転職活動でも有利に使える人気資格で税務を学びたいという方は、FP技能検定(下で解説しています)の取得も検討すると良いですよ。
具体的には、FP技能検定の試験科目の1つ「タックスプランニング」が税務知識を補充する上で勉強になります。
なお、簿記検定、税務会計能力検定いずれも勉強のスタートは3級から、履歴書に書くのであれば2級からが基本になると思います。
また、1級を持っていれば転職活動でも強いアピールになるでしょう(特に簿記検定1級)
決算書を「読む」知識を問う資格
意外に感じる方も多いかもしれませんが、決算書を「読む」ための知識は、会計事務所に長年勤めている人でも実は持っていないことが少なくありません。
税理士試験や簿記検定では決算書を「作る」ための知識は詳しく勉強しますが、決算書を「読む」ための知識が問われることがほとんどないためです。
会計事務所で実務経験を積んだ後に独立や、経理管理職として一般企業にステップアップしたいと考えている人は、この決算書を「読む」知識はぜひ持っておきたいところです(他の転職希望者との差別化になります)
なお、決算書を「読む」ための知識については、会計事務所の基本業務プラスアルファの知識となります。
会計事務所への転職希望者は、まずは会計事務所の基本的な仕事(決算書を「作る」知識)ができるようになるためにも簿記2級、税務会計能力検定2級(あるいはFP技能検定)の取得から始めることをおすすめします。
ビジネス会計検定(1級〜3級)
決算書を読む知識についてこれから勉強をスタートするという人はビジネス会計検定がおすすめです。
3級からであれば簿記などの会計の前提知識がなくても取り組むことができますし、会計事務所だけではなく、一般企業の経理や財務職で転職活動をするときにも有利に働きますよ。
会計事務書の基本業務として得意先の決算書を作り、さらにその決算書から読み取れることを得意先の経営者にアドバイスをするということができれば、会計事務所の職員としてかなりレベルの高い仕事ができるでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、第2次試験までの最終合格率はわずか4%程度の難関国家資格です。
中小企業診断士試験のデータをまとめると以下のようになります。
- 平成28年度申込者:19444人
- 1次試験合格者:2404人(17.7%)
- 2次試験合格者:842人(4.3%)
難関なだけに2年間〜3年間程度かけてみっちり勉強する必要がありますが、中小企業診断士資格を持っていると経理や財務の転職市場では非常に有利になるのは間違いありません。
上の合格率を見てもお分かりいただけるかと思いますが、中小企業診断士は独学ではかなり難しい試験です。
勉強が得意、好き、という方は時間をかけて独学で取り組むのもいいかもしれませんが、仕事をしながら合格を目指すのであれば資格スクール(または通信教育)に通うのがおすすめです。
↓ ↓ ↓
金融や社会保険の知識を得られる資格
会計事務所の仕事は大きく分けると、会計、税務、社会保険の3つに分けることができます。
- 会計
- 税務
- 社会保険
このうち、会計と税務の2つについては上で解説させていただいた簿記検定、税務会計能力検定で基本的な知識を得ておくと良いでしょう。
社会保険については本来は税理士の仕事に含まれないのですが、実際上は得意先から相談を受けることが非常に多いですから、
以下のような資格の勉強しておくと有利ですよ。
FP技能検定(1級〜3級)
就職、転職、キャリアアップに役立つ各種国家試験、検定など全12講座開講中。教育訓練給付制度対象講座もあります。
FP技能検定は、いわゆるファイナンシャルプランナーを目指す人が取得を目指す資格ですね。
ファイナンシャルプランナーというのは金融商品(株式や投資信託)や不動産などの知識を持っている専門家のことで、会計事務所の仕事とも強い関わりがあります。
というのも、会計事務所のお客さんである中小企業の社長さんは、資産運用についても強い興味を持っていることが多いので、相談に乗れると会計事務所の社員として質の高いサービスができるでしょう。
試験科目としても、FP技能検定には社会保険について「ライフプランニングと資金計画」、税務について「タックスプランニング」という科目があり、所得税や法人税についての税務知識を問う問題が出題されます。
会計については簿記検定、税務や社会保険について基本的なところはFP技能士で準備をしておくというのも良い選択肢だと思いますよ。
税務についてより実務に即した知識を得たいのであれば上で解説した税務会計能力検定もおすすめです。
社会保険労務士
FP技能検定2級と比べるとかなり難易度が高くなりますが、社会保険についてよりくわしく知りたいという方には社会保険労務士の資格がおすすめです。
ただし、こちらも合格率は4%程度の難関国家試験になりますので、受験する際には資格スクールに通うことを前提に2年間〜3年間かけて勉強する計画を立てましょう
試験のデータをまとめると以下のようになります。
- 平成28年度受験者数:39972人
- 平成28年度合格者数:1770人(4.4%)
試験対策にかける時間をできるだけ短くしたい方、お金をかけたくないという方には通信教育もおすすめですよ。
※こちらで社会保険労務士試験の短期合格マニュアルを無料でもらえるので、資料請求しておくことをおすすめします↓
クレアール社労士講座
社労士受験業界で話題の「非常識合格法」で効率的に合格が目指せます。
社会保険労務士にとってはメイン業務である労働保険に関する業務は、
正式には税理士では書類代行などを行うことができません(実際にはやっているケースも少なくないですが…)
最近はブラック企業や残業代の未払いなどが社会的に大きな注目をあびていますから、今後は会計事務所もこれらの問題に積極的に取り組んでいくものと思われます。
今後は会計事務所でも社会保険労務士の資格を持っている人へのニーズは高まっていくことが考えられますので、会計事務所志望者(より年収をアップしたい人)には社会保険労務士資格はかなりおすすめですね。
まとめ
まとめると、会計事務所で働く人がもっていて有利な資格としては、税理士以外では以下のようなものがあります。
- 簿記検定(1級〜4級)
- 税務会計能力検定(1級〜3級)
- ビジネス会計検定(1級〜3級)
- 中小企業診断士
- FP技能検定(1級〜3級)
- 社会保険労務士
※おすすめは赤字のものです。
会計事務所での仕事をスムーズに取り組めるようになるためには、とりあえずは簿記検定2級までを取得しましょう。
税務に関しては、会計事務所の仕事により特化した知識が欲しいなら税務会計能力検定の2級か1級までをとりましょう。
税務や社会保険について、より人気資格で対策をしておきたいという方はFP技能検定もおすすめです(転職に強いのはこちらです)
中小企業診断士や社会保険労務士についてはかなり難易度が上がりますので、会計事務所の仕事を覚えてから取り組むのも良いでしょう(税理士を最初から目指していないのであればいきなりこちらから初めてもOK)
※資格スクールの無料資料請求はこちら↓
※通信教育の無料資料請求はこちら↓
↓ ↓ ↓