会計事務所から一般企業への転職を目指すという場合、転職先として選ぶ企業の規模は気になるところだと思います。
私自身は中小企業経理と上場企業経理の両方を経験していますが、結論から言うと上場企業の経理職がおすすめです。
上場企業を選ぶメリットとしては以下の2つが挙げられます。
- ①給料などの福利厚生の面
- ②仕事内容のおもしろさ
いずれの面でも上場企業クラスの企業に入ると、圧倒的に良い環境に恵まれます。
(会計事務所にいたときと比べると、正直「こんなに面白い仕事やらしてもらって、こんなにお給料もらっていいの?」という感じです…)
今回は、現在は会計事務所で働いているけれど、一般企業にシフトチェンジすることを考えている方向けに、転職先企業を選ぶ際のポイントについて解説させていただきます。
会計事務所から上場企業に転職するメリット
繰り返しになりますが、①給料や福利厚生の面、②仕事内容のおもしろさ、の2点で上場企業を狙うべきと考えます。
以下、順番に解説(というか、体験談ですね)をさせていただきます。
上場企業のメリット①:給料や福利厚生
まず給料などの福利厚生面です。これはあきらかに大きい企業ほど有利です。
どれぐらい違うのか?という点に関しては実際の求人を見て判断していただくのが一番いいと思いますが、↓
上記検索の結果をざっくりとまとめると、
- 上場企業経理の年収:600万円程度〜
- 中小企業経理の年収:450万円程度〜
ぐらいが初年度年収の相場かと思います。
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給料だけでなく、福利厚生も要チェック
私自身は、会計事務所を10年間で3社ほど経験した後、さらに2社ほど一般企業経理の転職を経験しています。
現在の所属企業は海外の証券取引所に上場している中堅規模の企業で、今から一つ前の所属企業は国内のごくごく平凡な中小企業でした(オーナー企業で経理番頭という感じの働き方をしていました)
オーナー企業的な中小企業の場合、給料の金額はある程度社長との交渉がものをいう部分があります(その意味は次の項目にて)
オーナー社長の「で、いくらほしいの?」にどう答える?
強気に交渉できる方は高い年収を得られる人も多いですが、私は悲しいほど弱気な人間です(笑)
社長から年に1度「で、いくらほしいの?」と「交渉したかったらしていいよー」的な雰囲気をせっかくだしてもらっても「社長にお任せします…」的な返事しかできませんでした。
また、オーナー企業の場合、給料はある程度満足できても、とにかく休めない!という仕事の仕方になりがちです。
仕事大好き人間な方はそれでもいいかもしれませんが、ライフワークバランスも気になる方はやっぱり上場規模の企業を狙うのがおすすめですね。
しっかり給料をもらえて、プライベートも充実させたいなら上場企業
大企業の場合、福利厚生が圧倒的にしっかりしている印象があります。
繁忙期に週休1日ペースで数ヶ月間仕事していたりすると、人事部から「いい加減休んでください、マジです。会社が労基署ににらまれてもいいと思ってるんですか?」的な脅しをかけられます(笑)
サラリーマンの身としては嬉しいような悲しいような…なんですが、長く健康的にやりがいを持って楽しく働くならやはりこういうことをしっかりしてくれるところの方が良いですよね。
上場企業のメリット②:仕事が面白い!
ここからは仕事の内容に着目して(つまりどっちの仕事の方が面白いか?という視点で)上場企業の経理と中小企業の経理を比較していきましょう。
これも結論から言うと圧倒的に上場企業の方が面白いです。
その理由は…↓
中小企業の経理はあきる…
会計事務所で中小零細規模の企業(オーナー企業)の内部をよくみている方の中には、「小さい企業で経理財務担当の役員クラスになって、経理や財務は全部任せてもらって…」というプランを立てている人もおられるかと思います(私もそうでした)
で、実際にそういう規模の会社への転職も経験してみたのですが、入社から数年して、何回か決算もやって社長との関係性もできてくると…、
普通にあきちゃいます 笑
日常的な経理作業はスタッフと顧問税理士にお任せ(仕組みを作ってしまえば管理職の身としては自動操縦状態です)で、自分がやるのは銀行さんとの融資交渉やら社長への報告やら…と典型的なオッサン経理の中間管理職になりがちです。
会計事務所時代は年間30件やっていた決算も…
決算や税務申告の業務はスタッフではできないので自分がメインでやりますが、会計事務所時代は年間30件やってた決算業務も、一般企業経理担当者になるとたったの年に1回です。
はっきりいって元気が有り余っている状態になってしまうと思うんですね。
こういうところで「まあこれでもいいか…楽だし…」で満足してしまうか、よりガツガツいくか(具体的には上場規模の企業などに挑戦していくか)は個人の選択の問題だとは思いますが、あなたがまだ30代なら後者をおすすめします。
下手したら70歳ぐらいまで仕事し続ける時代ですから、どんどん成長し続けている方がきっと人生楽しいです(たぶん)
仕事に情熱を求める方は迷わず上場規模の経理への転職を狙いましょう。
上場企業経理ではどういう仕事をするのか?
これはどういうレベルで入社するか(単なるスタッフか、あるいは管理職候補か)によっても変わってくるところですが、会計事務所で3年間〜5年間程度の経験がある人であれば管理職候補になるのが自然です。
実際の担当業務としては、日常的な経理についてはスタッフレベルの方の管理〜月次試算表等の作成などが基本になりますね。
さらにイベント的に入ってくる税務調査対応や、会計士への監査対応があります。
後者については会計事務所や小さな企業にいるとなかなか体験できない仕事だと思いますので、刺激がありますよ(公認会計士さんはめちゃくちゃに優秀な人ばかりで勉強になります)
あと、私が所属している企業は海外に本社があるので、IFRSの対応準備やら本社との連結決算の打ち合わせやらで、経理財務としていろいろと面白い仕事が経験できてます。
これから上場する、という段階の企業に行きたい方なら、IPO(株式公開)の準備なんかもおもしろいと思いますよ。
こう言う実務経験はその後のさらなるキャリアアップにもつながりますので、30代で経験する仕事としてやりがいがあるのは間違いありません。
ベンチャーは普通に経営破綻するので注意
中小規模の企業(特にベンチャーレベルのスタートアップ企業)の経理に転職を考えている方は、その会社の経営基盤がそもそもしっかりしているのか?というところは転職前にしっかりチェックしておくべきだと思います。
実際、ベンチャー規模の一般企業に経理管理職として迎えられていく会計事務所時代の同僚たちも結構いるのですが、「会社自体つぶれちゃって今は転職活動やってるんだよね…」と言う人はすごく多いです。
ベンチャーで財務面は全面的にまかせてもらう…というのも仕事内容として魅力的なのはわかりますが、最低限ちゃんとつぶれずにやっていけそうな会社なのか?は精査しておかなくてはなりません。
※それでもベンチャーの経理財務にいきたい、という方はこういうちゃんとしたところで求人を探しましょう↓
まとめ
以上、会計事務所経験者が一般企業経理への転職を狙うなら上場企業がおすすめだよ、と言う話をさせていただきました。
現在、会計事務所で働いている方は、周りがみんな税理士を目指している環境にいると思います。
もちろん税理士を個人事業として開業するのも面白いキャリアだと思いますが、会計事務所でつちかった実務経験は、一般企業経理から高いニーズがあることは知っておいて損はないと思います。
いい会社に入って、面白い仕事をして、いっぱい給料もらう…。
そんな生活を目指すなら迷わず上場企業経理がおすすめです。