会計事務所に入社してまだ1年目だけど、この業界で本当に一生食っていけるのか?と、なんとなく不安に感じている方へ。
先輩の手伝いや会計ソフトの入力作業をやらされているけれど、なんだかこの業界にずっといて大丈夫なのか不安…。
所長がなんだか怖い雰囲気。周りの先輩も「あの人は変わっている」なんていってるし、本当についていって大丈夫なんだろうか…。
こういう不安をお持ちの方も多いと思います。
今回は、会計事務所で10年後も働いていけるのかちょっと不安…という方向けに、キャリアアップを考える際の選択肢について解説させていただきます。
この記事の目次
あなたが所属する会計事務所は、10年後にはどうなっている?
会計事務所はほとんどのケースで従業員5名程度の個人事務所ですから、「一生この事務所で務めていく」というのはちょっと想像しにくいというのが普通だと思います。
現在の所長税理士が引退したら事務所そのものがなくなるケースもあるでしょうし、事業承継をするとしても社員ではなく所長税理士の親族(息子や娘)が継ぐケースが多いでしょう。
そうなると、例えばあなたが入社して10年目のベテランになっていたとしても、後から入社してきた20代の所長税理士の息子が今後はあなたのボスになる…ということになるかもしれません。
はっきりいってこれはかなりモチベーションが下がりますよね。
事業承継をするもの(この場合は所長税理士の息子)にとっても、自分の親の代からいるベテラン社員というのは扱いにくいものです。
いきなりリストラしてくるというようなことは少ないとは思いますが、少しずつ自分のカラーに染まっている新入社員を増やしていくといった形で組織の入れ替えが行われるケースがほとんどです。
[ad#co-2]将来は税理士として独立してるから大丈夫、という方へ
このように、個人事務所レベルの規模の会計事務所に勤めている方は、10年後、20年後を見据えて自分のキャリアアップを今のうちから準備しておく必要があります。
「その頃には税理士として独立して、自分の事務所を持っているはず」という方もおられるかと思います。
もちろん、それはそれで素晴らしいことだと思うのですが、あなたがもしまだ税理士試験に合格していないのであれば、税理士としての独立以外の道も検討しておく必要があります。
税理士試験は残念ながら全ての人が合格できる試験ではありません。
会計事務所に勤めている人の多くが税理士試験の勉強も同時進行で進めていますが、5年〜10年経っても合格できないという人は普通にいます。
税理士資格を取得できなかった場合のキャリアプランもしっかりと準備しておきましょう。
[ad#co-3]会計事務所からの転職の選択肢は?
現在、会計事務所に勤めている人がキャリアアップを考える場合の選択肢(独立以外)としては、大きく分けて2つに分けられます。
- ①別の会計事務所に移籍する
- ②一般企業の経理職に転職
以下、順番に解説させていただきますね。
①別の会計事務所に移籍する
①に関してはできれば現在いる会計事務所よりも規模の大きいところを狙いましょう。
具体的には大手の税理士法人(BIG4といわれるところが有名です)や、資産税に特化した会計事務所などがおすすめです。
これらの会計事務所は仕事のレベルが高くなる分、年収や福利厚生もしっかりしています(税理士有資格者なら、30代で年収1000万円プレーヤーになる人もいます)
すでに3科目以上の税理士科目合格がある方であれば、現時点からBIG4への転職を狙ってみるのも良いと思います(年齢的に若ければ若いほど有利です)
②一般企業の経理職に転職
会計事務所で積んだ実務経験は、一般企業の経理からも強いニーズがあります。
私自身はこのルートで転職をしましたが、一般企業経理の管理職もなかなか面白い仕事だなと感じています。
会計事務所での仕事では基本的に一匹狼で仕事をしていましたが、一般企業の経理ではスタッフを取りまとめる立場(管理職)として仕事をしています。
所属する企業にもよりますが、売上規模が大きくなってきたり、海外の取引先とのやりとりがある企業(私の会社)では会計事務所時代には経験できなかった面白い仕事もたくさん経験することができます。
決算や税務申告だけではなく、経営者に役立つデータを作成するために管理会計的な知識を駆使したり、あるいは金融機関との交渉ごとなどを担当したりと、経理管理職の仕事というのは刺激にあふれる仕事です。
ある程度の規模の企業で経理管理職としてマネジメントの経験がある人は、転職活動も有利に進めることができますから、その後のキャリアアップにも大いに役立つでしょう。
会計事務所での実務経験がある人は、一般企業経理という道もぜひ選択肢に入れて見てほしいと思います。