ハローワーク等で会計事務所の求人情報を探している方は、「経験不問で30歳以上の人もOK。簿記3級程度の知識がある人でパソコン(ワード、エクセル)が使えればなお可…」という条件の求人を見かけることが多いと思います。
しかし、ハローワークに求人を出すためには色々と条件があります(年齢や性別で限定してはいけないなど)から、実際に会計事務所の人事担当者が見ているポイントはこれとやや異なる可能性があります。
ここでは会計事務所の採用担当者(所長税理士自身であることも多いです)が経験不問で応募してきた人のどういうところを見ながら採用の可否を決めているのか?というポイントについて解説させていただきます。
この記事の目次
経験不問でも日商簿記3級以上は必要?
経験不問での応募の場合「日商簿記3級程度の知識」が求人条件になっていることが多いですよね。
ただ、実際には厳密に「3級以上に合格していないとダメ」というわけではなく、基本的な簿記の知識がある人に応募してほしいというぐらいのものだと考えておいてOKだと思います。
というのも、会計事務所としては少しでも早くトレーニング期間を終えて、得意先の担当を持ってもらわないと新しく従業員を雇用しても利益が出ないからです。
入社段階で簿記3級程度の知識がある人と、ない人が同時に応募してきた場合には間違いなく前者の方が有利になりますから、できれば応募前に勉強はしておきたいところですね(可能であれば日商簿記は2級を取得しておきましょう)
[ad#co-2]年齢条件は?30歳以上でも採用される?
会計事務所の経験不問採用に応募する場合、年齢条件は「35歳未満」と記載されていることが多いですが、実際には未経験者で30代後半…だと採用はなかなか厳しいというのが実情です。
未経験者でいちから会計事務所業界に入っていくという場合であれば、遅くとも27歳〜28歳ぐらいまでが採用ギリギリのラインとなることが多いでしょう。
[ad#co-3]学歴はどう評価される?
学歴には関しては高卒者であっても大卒者であっても採用される可能性はあります。
ただし、まったく同じ条件(実務未経験者)で高卒者と大卒者の2人が応募してきたという場合には、大卒者が有利になるのはやむを得ない点だと思います。
というのも、税理士事務所の所長税理士は普通大卒以上(大学院卒の人も多いです:税理士試験の科目免除制度を利用している人が多いからです)ですから、大卒者と高卒者では大卒者の方が共感を感じる部分が多いというのが実際のところだからです。
もちろん、高卒者であっても採用が絶対にされないということではまったくありません(私が所属していた会計事務所でも高卒者が採用されるケースはよくありました)
高卒者の方でも日商簿記1級を取得して税理士試験の受験資格を得ているというようなとても優秀な方はいますから、あきらめずに転職活動を進めていくと良いでしょう。
[ad#co-4]経験不問採用では、就業形態は2種類ある
会計事務所の就業形態というのは大きく分けて2つあります。
1つは正社員採用で「監査担当者」や「税理士補助」と呼ばれる、お客さんの担当をする就業形態です。
こちらは会計事務所のメインの戦力となる人たちで、経験不問であっても採用される可能性は十分あります(というか、基本的にみんな未経験からスタートします)
もう1つはパートや派遣などの就業形態で、内勤の仕事をする人たちです。
こちらに関しては直接的にお客さんと関わることはないですが、監査担当者のサポートをする役割という位置付けになることが多いです(こちらも経験不問でも採用される可能性は十分あります)
経験不問だとどちらか一方の就業形態になる…というわけではありませんから、未経験者の人でも監査担当者の募集(正社員)に積極的に応募して問題ありません。
[ad#co-5]税理士試験の科目合格者の場合は?
税理士試験の科目合格者の中には、税理士試験におおよそのめどがついてきたのでそろそろ実務経験を積みながら…と考えている人も少なくないと思います。
実際、会計事務所に入社する人のほとんどは税理士試験受験生で、簿記論と財務諸表論の2科目を取得してあとの3科目は仕事をしながら…というケースが非常に多いですね。
また、簿財2科目に合格している人はまったくの未経験者と比べると給与水準も高くなる傾向がありますから、積極的に会計事務所の求人を狙っていくと良いと思います。
また、将来的な実務を見据えて転職活動を有利に進めていくことを考えるのであれば、税法科目の選択は法人税法と消費税法を入れておくのが良いでしょう。
※科目合格と会計事務所の給与水準の決まり方についてはこちらの記事でまとめています↓
ハローワークの経験不問求人は応募してもOK?
会計事務所の経験不問求人はハローワークにもたくさん求人が出ているので、ハローワーク経由で応募する人は少なくないと思います。
ですが、結論から言うとハローワークからの応募はおすすめしません。
理由は単純で、ハローワーク求人は年収が低い傾向があるからです(まったく同じ会計事務所の同じ条件での求人でも、年収がまったく違う…ということは普通にあります)
どうせ同じ仕事をするなら、少しでも高い給与で働きたいと思うのは当然のことですよね。
どこから応募するのが年収が高い?
それならどこから応募したら良いのか?ですが、おすすめは転職サイトの非公開求人からの応募です。
非公開求人というのは転職サイトに無料登録しないとみれない求人のことで、ハローワークの求人よりも年収や福利厚生の条件が良いものが多いです。
平均年収で比較するとおよそ以下のようになります(いずれも経験不問の求人の場合)
- ハローワークの求人 :年収250万円〜
- 転職サイトの非公開求人:年収350万円〜
年収が100万円違うということは、毎月手取りで受け取れる金額で8万円ぐらい違うことになります。
※MS-Japan経由で転職した人のアンケートに基づく数値です。
どこから応募するか?によって年収に差がつく理由
どうしてこれだけの差がつくのかというと、転職サイト経由からの応募の場合、専属の転職エージェントがあなたに代わって年収交渉を行なってくれるからです。
面接などで自分で自分の年収について交渉するというのはなかなか難しいですよね。
転職サイトは私たちが採用に至った場合に、「私たちの年収×数%」という形で手数料を得ていますから、私たちが少しでも高い年収で会計事務所に採用されるほど彼らの取り分も多くなる仕組みになっているんです。
基本的にWIN-WINの関係
「なんだか自分を商品扱いされているみたい…」と不快な思いをされる方もひょっとしたらおられるかもしませんが、転職サイトと私たち転職者は基本的にはWIN-WINの関係になっていることは理解していただけると思います(結局採用後の年収が高くなるのであれば、使えるものは使うにこしたことはないですよね)
転職サイトは無料で使えますから、採用後の年収を少しでも高くしたいという方は転職サイト経由での応募をおすすめします。
その際、会計分野の転職案件を得意にしている以下のような転職エージェントを選択するとより良い条件の非公開求人を紹介してくれるでしょう。